nexdsd JAPAN 性分化疾患:家族のためのハンドブック

Consortium on the Management of DSDが発行している「性分化疾患:家族のためのハンドブック」の翻訳など、性に関する様々な体の発達状態を持つ人々と家族の方々をサポートできる情報をお送りします。

(6)言いにくさを乗り越えるために、それについて話しましょう。

 言いにくさや困惑という感情に向かい合い、気持ちを表していくには、今の時点では時間をかけることが大切です。大抵そういうものです。ご自身が感じていらっしゃること、そしてなぜそう感じているのか、考えるようにしてみてください。お子さんの性分化疾患について、言いにくさや困惑を感じるからといって、悪い親だということにはなりません。

 でも、ずっと言いにくさや困惑を感じているだけでは何も始まりません。性分化疾患を持つ多くの人々やそのご両親からよくお聞きしたのは、言いにくさと困惑の状態のままでいると、子どもも皆さんも、大きなストレスと苦痛にさらされたままになるということです。ではどうすればいいのでしょう。こういう気持ちを今すぐ永遠に、魔法のように消し去ろうとは思わないでください。その代わりに、このハンドブックを読んで、今起こっていることを理解して、自分を責める必要がないこと、自分がひとりではないことを知っていただきたいと思います。そして、信頼できる人(お医者さんや家族、友達、サポートグループ)とコミュニケーションをとるようにしてください。そうすれば、皆さんご自身やお子さんが、誠実な支援を受けていく力強い状況を作ることができるでしょう。愛情と誠実さを育み、信頼できる人と話し合うことができれば、今この人生で直面している状況に、皆さんとお子さんが立ち向かっていく助けになっていくはずです。

 少しずつこの状況を受け入れていく過程で、自分の子どもだけでなく、同じような状況にいる人を助けていくと、自分自身が本当に心強く感じる瞬間にお気づきになることもあると思います。これは多くのご両親も感じてこられたことです。ある時には、ふと自分が心細くなっていることにお気づきになることもあるでしょう。こういう心強さと心細さを繰り返し経験していくのは当然のことです。性分化疾患を持つ子どもの親であるということは、そういうことでもあり、それは十分理解できることですし、あたりまえのことでもあるのです。

 時間はかかったけど、いつの間にか自分の状況が受け入れられて、対処できるようになっていった。性分化疾患を持つ子どもの、本当に多くの親御さんが私たちにそうおっしゃってきました。この子と人生を共に歩むことで、少し特別な愛情と喜びを見つけることができた、と。と言っても、何も一日で、こういうふうになるわけではありません。それは他の親御さんも同じことです。子どもを持つことで起きる気持ちに、単純な解決法はありません。それは、性分化疾患を持つ子どもを持つ場合でも同じなのです。ここではとにかく、イライラしたり混乱したり悲しくなったり怒りがわいてきたりする日々があるのと同じように、大きな喜びと平穏で素晴らしい日々もあるのだということを、知っておいていただきたいと思います。