nexdsd JAPAN 性分化疾患:家族のためのハンドブック

Consortium on the Management of DSDが発行している「性分化疾患:家族のためのハンドブック」の翻訳など、性に関する様々な体の発達状態を持つ人々と家族の方々をサポートできる情報をお送りします。

(6−2)6歳から11歳頃まで(小学校の頃)

ここでご紹介しているハンドブックはアメリカで作成されたものです。欧米と日本とでは文化差や、子どもの発達・成熟には大きな違いがあります。必ずしも、ここに書いてあることが正解ということにはなりません。欧米でも指摘されていますが、最も大切なのはお子さん個々の理解力の発達やご家族の状況です。話すか話さないかということも含めて、その答えはそれぞれのご家庭によって異なります。その上で読んでいただければと思います。

 
 性分化疾患を持つ子どもの親御さんたちは、その多くが、この児童期からおとなになるまでがたいへんだろうと、おっしゃっています。この年代は、お子さんが、自分が平均とは異なるということを本当に理解していく時期だからです。親御さんたちは、そういう時期は、お子さんが感じていることを話してもらえるようにする時間を作るのがいいと提案してくださっています病院のソーシャルワーカー看護師さんカウンセラーなど、外に話を聞いてもらえるような人に、お子さんをつなげるのも助けになるでしょう。同じような状況・状態にある子どもと交流を持つのも、お子さんのためになります。似たような体験をしてきた同じような状態を持つ大人にも。そういう大人の人と出会うことで、自分も「やり通せるのだ」という感覚を子どもが持てるようになることが多いです。お子さんが求める分の、お子さんの状態についての情報や医療履歴を教えていくのもいいでしょう。お子さんがそういう情報を恐れているようなら、お子さんがどれくらい知りたいか聞いてみて、お子さんの流れに任せるようにするのです。 

 小学校も高学年頃になってくると、お子さんから治療や手術という選択肢について聞いてくるかもしれません。この発達段階では、子どもは自分を友達と比べるものです。子どもはもしかしたら、もっと他の男の子や女の子のようになりたいと思い、そうなるための方法を考えているのかもしれません。性分化疾患を持つ子どもの親御さんの中には、小学校高学年頃からのホルモン療法や手術の可能性を考えはじめる方もいらっしゃいます。治療の可能性についてお子さんと話し合いをされるときに大切なのは、お子さんの気持ちと望みに注意深く耳を傾けることと、治療選択肢それぞれにあり得るリスクと利点を、お子さんと共に調べることです。たとえば…



子ども: 「わたし、性器を普通に見えるようにしたい。他の子と同じように見えるように今すぐ手術できない?」

親: 「他の女の子と同じように見えるようにしたいんだよね。じゃあ、あなたがどうしたいのか質問リストを作ってみようか。もっといろいろ分かるようにね。それでそれをお医者さんのところに持って行って、いっこずつ聞いてみよ。どうするのか、いろいろ良い点と悪い点があるだろうし、それをちゃんと聞いておかなくちゃね。それに、同じような状態を持ってるお姉さんがいると思うから、手術を受けた人と受けてない人を見つけて、それぞれ話を聞いてみない?どうだったかって。お母さんは、あなたにちゃんと納得できる決断をしてもらいたいの。今すぐ手術を受けたいっていうのは分かるわ。それがどんな気持ちかも。でも、お母さんにとっては、長い目で見て、あなたが幸せでいられる決断をしてもらいたいの。だから、一緒にやっていきましょ。じゃ、まず紙を持ってきて、質問リスト作ろ。」
  

 もしお子さんが既に手術を受けているなら、この機会に、前に受けた手術のことをお子さんと話をするのがいいでしょう。いつ手術をしたのか、どんな手術だったのか、お子さんに知ってもらうようにしましょう。こんなふうに、お子さんに聞いてみましょう。


親: 「お前が受けた手術のこと、もっと知りたいか?なぜお父さんたちがお前の手術をすることにしたのか、手術が終わった後おまえがどんなだったか、手術してるときお父さんたちがどんな気持ちだったか、お前が聞きたかったらね。」
  

 どこまで話し合いをするのか、どこで話を終えるのか、それはお子さんに決めてもらうようにしましょう。次の日に、こう聞いてみてください。「あなたが話したいと思ったことで、まだ話せてなかったことってある?どんなことでもいいのよ」。こうすれば、お子さんに、もっと話してもいいんだと分かってもらえます。