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nexdsd JAPAN 性分化疾患:家族のためのハンドブック

Consortium on the Management of DSDが発行している「性分化疾患:家族のためのハンドブック」の翻訳など、性に関する様々な体の発達状態を持つ人々と家族の方々をサポートできる情報をお送りします。

(3)赤ちゃんの性別判定に時間がかかる場合には

ここでご紹介しているハンドブックはアメリカで作成されたものです。欧米と日本とでは文化差や、子どもの発達・成熟には大きな違いがあります。必ずしも、ここに書いてあることが正解ということにはなりません。欧米でも指摘されていますが、最も大切なのはお子さん個々の理解力の発達やご家族の状況です。お子さんに話すか話さないか、周りの人に話すか話さないかということも含めて、その答えはそれぞれのご家庭によって異なります。ただ、一番重要なのはお子さんの思いでしょう。プライヴェートも含む大切な体のことです。勝手に話回る人もいるかもしれません。ですので話す必要がある場合、お子さんとよく話し合った上で、誰に話すのかということをお考えいただければと思います。その上でお読みください。


 ご家族など関係する人には、赤ちゃんに起きていることをしっかりお話されることを強くお勧めします。そのつもりがなくても、ごまかしたり隠しておいたりすることで、後ろめたさや秘密ができてしまい、そのために皆さんは孤独や怒り、そして大きな悲しみをひとりで抱えこむことになってしまいます。ご家族や友人にお子さんの性の発達について話すのはとても難しいことにもなるでしょう。けれども、しっかりと向き合って話をすることで、皆さんが後ろめたくなることはないと思えるようになりますし―だって実際皆さんに後ろめたいことなんてないのですから―、周りの人も皆さんを支え、信頼関係を作ることができるようになるのです。この大切な時に皆さんが孤立してしまっては、ひとりで重圧を抱え、ひとり孤独になってしまうかもしれません。話をするということで、ご家族やご友人の方と更に深くつながっていけるのです。

 お子さんの性分化疾患について話すときは、最初は大きな感情の波を感じられるかもしれません。皆さんに協力してくれる立場の医療スタッフは、このような大きな感情の波について話をし、ご家族やご友人にどのようにお子さんのことを伝えるか、その方法を考えだす機会や場を皆さんに提供する義務があります。もしこのような時間や場が提供されないようなら、ぜひ医療スタッフに依頼するようにしてください。

 親というものは自分の子どものことを誇りに思うもので、子どものことを意図して後ろめたく思ったり、戸惑っていたりするように行動しないものです。けれども、自分自身の子どもについてしっかりと本当のことを話せないとなると、時を重ねるごとに後ろめたさの気持ちは大きなものになっていくこともあるでしょう。更に重要なのは、皆さんがしっかりと本当のことを話さなければ、性分化疾患を持つ子ども自身も、自分のことを後ろめたく感じるようになってしまうことです。ただ実際、本当のことを話すというのには、時間とサポートが必要なことだろうと思います。

 ですので、こういう風に話すところから始めるのはいかがでしょうか?「赤ちゃんは、みんなが思ってるよりも実は結構よく起きる状態を持って生まれてきたらしいんです。お医者さんはいろいろな検査をしてくれて、将来この子が自分のことを男の子と思うか女の子と思うか、ちゃんと特定するようにしてくれていて。お医者さんは○○日以内にもっとたくさん分かるからって言ってくれてるので、それから子どもの性別と、私たちがつけた名前を伝えられればって思ってます。もちろんどんな子どもでもそうですけど、お医者さんはいろいろな検査をしてくれてるけど、それで全部はっきりするのかって言ったら、それはそうでもないみたいなんです。しばらく待ってみようと思っています。見守って、支えてもらえませんか?すぐに赤ちゃんを直接紹介できればって思ってますので」。

 ご友人やご家族には、赤ちゃんが健康かどうか、なにか健康に関わる問題があるかどうかを知っておいてもらうというのもいいでしょう。もし健康に関わる問題がある場合は、お医者さんから説明を受けたことを伝えるようにしてください。そして最後に、赤ちゃんの顔の写真を撮って、送ってあげてください。

 恐らくですが皆さんも、他の親御さんが体験されてきたこと、つまり、ご友人やご家族からたくさんの疑問やたくさんのアドバイスをぶつけられるということがあるかもしれません。皆さんのご両親(おじいちゃんおばあちゃん)が混乱されたり気に病まれたりされる場合は、医療チームの人に説明をお願いすることもできるでしょう。性分化疾患を持つ他の子どもの親御さんやピアカウンセラー*1と話をしたりするのもいいでしょう。最初の一歩は簡単なことではないと思います。けれども、この一歩を踏み出したのは、皆さんが最初ではありません。もし皆さんが周りからの支援に手を伸ばせば、ひとりだけで背負わずにすむのです。

    

*1:訳者注:同じ状況にある人の中で、カウンセリングの技術を学んだ人のこと