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ティア・ヒルマンさんの思い

ティア・ヒルマンさんの思い 

 母に分かってもらいたかった。

 

あなた自身が持っている賢明さを。

 

あなたの持っている悲しみは、自分ひとりで背負いきれるものではないことを。

 

先天性副腎皮質過形成という「ギフト」は、私をアウトサイダーにもしたけど、同時にコミュニティオーガナイザーにもしたし、私をランナー、作家にもしたということを。

 

母には分かってもらいたかった。

 

お医者さんは全能じゃないってことを。

 

父がなんと言おうと、隠さず話し合っても、サポートを受けてもいいのだということを。

 

無理やり私を普通にしようとしても、そんなことで私は普通になんかならないことを。

 

母には分かってもらいたかった。

 

母がどれだけ動揺していたか私が分かっていたことを。それは自分のせいなんだと私が思っていたことを。

 

女の子でも少し毛が濃くなったって、別に変なことじゃないってことを。

 

他の子よりもセックスに興味を持ったって、別にいいってことを。

 

母には分かってもらいたかった。

 

お医者さんが体重管理をうるさく言うからって、子どもに無理なダイエットをさせても意味がないってことを。

 

私が自分に誇りが持てるように育てたいのなら、私が堂々と他の人との違いを受け止められるような自信を与えるべきだったということを。

 

どんなに恵また環境でも、人と違うってことは辛いことで、誰かの支えが必要なんだってことを。

 

母には分かってもらいたかった。

 

みんなが違いを受け止められる世界を実現させるには、世界のことよりまず私のことを、あなたとは違うひとりの人間だって受け入れなきゃいけないってことを。

 

私がインターセックスという言葉を使っているのは、私と同じ状況にある人に出会うためで、自分自身を振り返り、心の重荷を下ろすためなんだってことを。

 

分かってもらいたかった。

 

私に必要なのは居場所で、私をそのままに受け止めてくれる人、私のことを先生、リーダー、恋人だとちゃんと思ってくれる人がいるってことを。

 

私が私であることで、他の人に、心休まる港を、高すぎてひとりぼっちの木の上に皆が集まれる巣を作ることができるんだってことを。

 

あの時の母に分かってもらいたかった。

 

私の診断から30年。

 

その間にあなたは、私の父親じゃない他の男性に逃げてしまい、結局は別れて泣いて、それから私たちは少しずつ歩み寄れるようになるのだってことを。

 

そして自分たちのことを大丈夫だと思えるようになるのだってことを。

 

 

                           ティア・ヒルマン「母に分かってもらいたかったこと」



(画像左側がティア・ヒルマンさん、右側がお母様のフリーマ・ヒルマンさんです)