nexdsd JAPAN 性分化疾患:家族のためのハンドブック

Consortium on the Management of DSDが発行している「性分化疾患:家族のためのハンドブック」の翻訳など、性に関する様々な体の発達状態を持つ人々と家族の方々をサポートできる情報をお送りします。

治療と外科手術についての質問(1)

  
Q:「実施するかどうか選択が可能な」医学措置とは何ですか?

A:実施するかどうか選択が可能な医学措置(たとえば、選択が可能な外科手術)というのは、特に緊急性がないのに行われる医療のことを言います。緊急の必要性がある手術とは、たとえば尿道(おしっこが出るところ)なしで生まれた子どもに、尿道を開くための手術のことを言います。選択が可能な手術とは、たとえば女の子のクリトリスの見た目を小さくするためのものを言います。


Q:実施するかどうか選択が可能な外科手術についてどう考えればいいですか?

A:お子さんの治療について決断するとき、皆さんは息子さんや娘さんにベストなのは何か?とお考えになるでしょう。つまり、長い目で見てお子さんにとってどうするのが一番いいのかと。

 お子さんが自分のことを自分で決めることができる前に、選択が可能な治療を行うことを選ばれる親御さんは、少し待つことよりも、子どもには手術をするのがいいのだろうとお考えです。性分化疾患のケースでは、お子さんの人とは違った性器の外見について、お子さんが困惑したり恥ずかしいと感じたりするのを避けさせてやりたいという思いから、親御さんが早い時期での外科手術を選ばれることがよくあります。それは、お子さんの物心がつくようになったとき、お子さんがそのような思いをするという困難から救ってやりたいという親御さんの思いからでもあるでしょう。それと、子どもがまだ小さいうちであれば、手術がうまくいくとお考えだからかもしれません。

 子どもが自分で手術するかどうか決められるまで待つことを選ばれる親御さんは、お子さんが決められるようになる前に手術をするよりも、決められるまで待つ方が子どもにとって望ましいとお考えです。このようなご両親が手術を待つのは、たいていは、ありのままの姿を受け入れているのだよという一貫したメッセージをお子さんに伝えていきたいと望んでいらっしゃるということもありますし、手術に関わるリスクを犯したくないとお思いだからというのもありますし、子どもはしっかりと自分自身の身体を責任を持って生きるべきだという信念をお持ちだということもあります。また、子どもが決められる前に手術しても、後に親が決めたことを子どもたちが知った時に、子どもが感じるかもしれない衝撃を和らげることにはならないだろうとお考えだからというのもあるでしょう。更に、もし手術するのであれば、子どもが成長した時の方が結果もいいだろうとお考えだからというのもあるかもしれません。 

 このことについてもっと考えてみたいとお考えでしょうか?第1章は、お子さんを守りたいという皆さんの思いについて、どう対応していけばいいのか考えていくことに役立ちます。第3章では、お子さんを担当する医療関係者とどう話し合っていけばいいか、選択が可能な手術についてどう質問すればいいか、まとめてあります。第5章に質問項目を短くまとめてみました。第6章では、選択が可能な手術を受けた経験を持つ性分化疾患の方とご両親からのメッセージを掲載しています。