nexdsd JAPAN 性分化疾患情報サイト

体の性の様々な発達(性分化疾患)に関する情報を発信します。

治療と外科手術についての質問(2)

Q:子どもの性腺(精巣や卵巣、卵精巣など)は除去するべきですか?

A:過去には、判定された性別に合致しない性腺(精巣や卵巣など)はどのようなものであれ除去するのが、外科医の中では一般的でした。また、性腺が癌になるリスクが高いと考えて性腺を除去することもありました。 

 機能している性腺を除去しない利点には以下のようなものがあります。(1)性腺をそのままにしておくことで、医師が処方するホルモンで人工的に引き起こす思春期よりも、自然な思春期を迎えられるかもしれない。性分化疾患を持つ人の多くは、自然な思春期の方が、医学で作られた人工的な思春期よりも明らかにストレスが少なかったとお話です。(2)現在の技術では、お子さんは不妊のままであることは確かなのですが、今後生殖技術が進んでいくと、息子さんや娘さんの性腺を残しておくなら、将来自分自身の生物学的な子どもを持てるようになるかもしれない。たとえば、アンドロゲン不応症(AIS)を持つ女性は将来、自分の精巣からの細胞を使って、代理母をお願いすることで、自分の赤ちゃんを持てるようになるかもしれないと考えている人もいらっしゃいます。もし性腺が除去されてしまうと、お子さんが成長した時に可能になっているかもしれない不妊治療に必要な性腺がもう手に入らないことになってしまいます。(3)性腺を除去した人は通常、骨粗しょう症(骨がもろくなる疾患)を防ぐために、ホルモン補充療法(HRT)を残りの人生ずっと続ける必要が出てきます。性腺を残しておくことで、治療とその副作用なしで、健康的な骨を持つことができるということになるかもしれません。(4)完全性アンドロゲン不応症を持つ女性の多くは、性腺が除去された後、性欲や快適に生活しているという感じがほとんどなくなり、ホルモン補充療法ではそれを補うことが全然できないとおっしゃっています。

 当然のことですが、もし性腺が癌化していたり、すぐに癌になる恐れが高い場合は、性腺の除去について外科医に相談してください。癌の危険性と性分化疾患の危険性とは別のものなのですから。

 もし息子さんや娘さんが思春期に入り、お子さんの思春期を「違う方向」へ向かわす性腺を持っているという場合、皆さんは、お子さんに性腺を除去するという選択肢を持ってもらうようにしなくてはいけません。(たとえば精巣を持っている5α還元酵素欠損症の女の子は、思春期に入ると、より男性のようになっていくかもしれませんし、それは彼女が望むものではないかもしれません。このようなお子さんを持つご両親は、彼女やお医者さんとで、彼女の性自認がはっきりしないなら、思春期を遅らせるお薬や、精巣を除去する手術など、彼女がとる道について話し合わねばなりません。)

 もし性腺が癌化していないなら、お医者さんに「経過観察(とりあえず見守ること)」という選択肢について話してみてください。

 思春期については第2章もご覧ください。