nexdsd JAPAN 性分化疾患情報サイト

体の性の様々な発達(性分化疾患)に関する情報を発信します。

コリン・ストールさんの思い

 
     
性分化疾患を持って大人になった人々の思い・考え

コリン・ストールさんの思い

 僕が生まれたのは1968年。全く健康な赤ん坊でした。ですが、成長しきっていない精巣と性腺機能低下症、それに軽い尿道下裂を持っていました。幸運にも僕は、他のほとんどの親御さんがそうであるように、思いやりと愛情にあふれる両親の間に生まれることができました。ふたりはお医者さんに何度も質問をくりかえし、すべてを鵜呑みにしないで、じっくりと僕のことを考えてくました。両親が選んでくれたお医者さんも、定評のある先生で、何でもオープンに答えてくれる人だったそうです。僕が最初に受けた手術は4歳の時。尿道の出口を広げるためのものでした。外科医の先生は、もっと普通の見た目になるようにと、人工の精巣を入れることを勧めましたが、両親は外科手術のリスクについて十分に認識していましたので、僕が自分で話を聞いて決められるまでと、それについては断ったそうです。僕は12歳まで自分で待って、片側だけ人工精巣を入れることにしました。僕にとってそれはひどく辛い体験でしたが、両親はいつも支えてくれました。もう一方には人工のものは入れないと決めた時も、それを尊重してくれました。次に10代の半ばには、乳房が大きくなっていきました。テストステロンの注射が原因でした*1


 両親は僕にずっと、自分自身を大切にすること、自分自身を愛することを教えてくれていましたが、10代の僕には、自分の体の違いはとても戸惑うものに感じられ、両親とお医者さんに、乳房を取る手術をお願いしました。先生には18歳になるまで待ってはどうかと言われました。両親はここでも僕を尊重してくれましたが、同時に、先生の説明にも耳を傾け少し考えてみることも勧めてくれました。最終的に僕は、高校卒業と大学入学の間に手術を受けることにしました。今振り返ってみて、後悔はありません。ひとつには、それは僕自身が決めたことだからです。今は30代ですが、やはり自分の体には今でも少し戸惑いを持つことがあります。太りすぎかも?筋肉が弱いなあ、なんて思うこともありますが、こういう思い悩みは、我々の文化のちょっとした風土病みたいなものです。僕にはそれが分かります。家族や友人、恋人、尊敬する人やカウンセラーの皆さん、それに様々な人生の体験が僕に、自分をそのままに大切にすることを教えてきてくれたのですから。      

*1:訳者注:男性ホルモンであるテストステロンは、男性でも一時的に乳房発達が起きる原因となる。たいていの場合は一時的なもので、小さくなっていくことが多い